そろそろ薬剤師国家試験の勉強を始めようと意気込んだけれど、何から手をつければ良いのだろう?そんな疑問を持った方に向けた内容です。
第108回薬剤師国家試験を受験するにあたって、筆者やその友達を含む受験者の、もっとこうすればよかったといった声から作成しています。是非参考にしてみてください。
勉強に入るさらに前段階にやること
略語を駆使せよ!
勉強に入る前のさらに前段階で意識したいポイントです。
この先膨大な量の勉強をするにあたって、メモ、まとめ等作っていくことになると思います。そこで駆使したいのが、略語です。
受容体 | R |
細胞 | cell |
副作用 | SE |
作動薬 | アゴニスト |
遮断薬 | ブロッカー |
アセチルコリン | Ach |
神経 | N |
勉強をしている中で、毎日のように目にする単語は、なるべく画数の少ない略語に変える癖をつけていきましょう。受容体をRに変えるだけで、効率が非常にUPするはずです。
ただ、これにはメリットだけでなくデメリットもあります。例えば、作動薬or遮断薬は漢字で見ておく癖をつけて置かないと、実際の問題を見たときに見落としてしまう可能性が高くなります。
問題を見る時には、略語でない状態を意識。自分のまとめやメモでは略語を駆使!といった使い方がおススメです。
蛍光ペンを駆使せよ!
こちらも勉強を始める前段階のポイントです。
基本的なアンダーライン | 緑 |
薬の名前 | 黄色 |
2つの対比 | 赤/青 |
薬ゼミの講義では、大半の先生が緑で基本的なアンダーラインを引いており、まだ講義を受けていない方も緑を使っておくと、今後の対応がしやすいでしょう。
そして、私自身がやっていてよかったと思うのが、薬の名前に緑以外を使うことです。長い文章中では、薬の名前と他のカタカナが紛れてしまいやすいです。
例)中枢性筋弛緩薬に分類されるダントロレンは、リアノジン受容体を遮断する。
例)中枢性筋弛緩薬に分類されるダントロレンは、リアノジン受容体を遮断する。
膨大な量の文章中から特定の薬を見つけ出すのに、非常に役立ちます。自身の使いやすい色で蛍光ペンを引く癖をつけておくことで、後々救われるかもしれませんね。
最後に、二つの対比です。
例)瞳孔括約筋は副交感神経支配で縮瞳を起こし、瞳孔散大筋は交感神経支配で散瞳を起こす。
ぱっと見では同じ事を書いているように見えるけれど、よく見ると相反する内容。国家試験ではこういった内容が頻出。2色を使い分けて蛍光ペンを引くことで、細かい違いを見逃さないようにしましょう。
まず初めにやるべき勉強内容
薬剤師国家試験の過去問
ここからは、勉強内容についてです。まず初めに薬剤師国家試験の過去問を解いてみましょう。
ここで重要なのは、問題の内容を理解すること<<<<< 国家試験の仕組みを理解することです。
必須(90)理論(105)実践(150)の全345問で構成。科目の順番や問われ方、頻出問題等を過去問に触れることで学んでいきます。そして、そこから自分の勉強計画を立てていきましょう。
過去に大学で習った内容や、青本を端から端まで順番にやっていく。これは、6年生進学前ならば可能で最終的な点数につながるかもしれません。しかし、この記事を読んでいる方のほとんどが、6年生を迎えるまたは6年生かと思います。
見たことのない問題は、ほとんどの人ができなくて当たり前です。正答率が60%以上の問題を確実に取れば薬剤師国家試験は合格できます。
正答率60%以上 | 国家試験ボーダー | |
第106回 | 232問 | 215点 |
第107回 | 228問 | 217点 |
第108回 | 264問 | 未発表 |
いずれも、正答率60%以上の問題数を、ボーダーラインは超えていません。自分だけができる問題を作るのではなく、自分だけができない問題を無くすつもりで、過去問から手をつけていきましょう。
まとめノートを作ろう!
薬剤師国家試験の過去問を繰り返し解く中で、これはまとめておきたい!何回も調べてるな…といった内容が出てくると思います。その段階まできたら自分なりのまとめノートを作成しましょう。
下記は筆者の卒業試験に向けたまとめノートです。
左から、必須・理論・実践で1冊ずつ。問題番号順で直近5回分をまとめてあります。必須の1ページ目には5年前の問1~5(物理)、2ページ目には4年前の問1~5(物理)のまとめです。
もちろん、すべての問題に対してまとめを作っているわけではありません。どうしても覚えたい内容は赤シートで隠せるようにして記載をしています。※下記に詳細があります。
この方法のメリットは、問164付近でよく抗悪性腫瘍薬が聞かれているな~等大体の分野に気づける事、そして試験直前に見るノートを必須の前は必須・理論の前は理論と、1冊に絞れることです。過去問を解いていて、問番号でまとめを探し出せるのも良い点だと思います。デメリットは、必須試験直前に必須のノートを見ていたら、理論にまとめていた内容がでてくる等です。
他の方法をあげるとすると、科目ごとにノートを作る方法です。
この方法のメリットは、過去にまとめた内容が分野で比較的にすぐ探し出せる事、内容かぶりのまとめが発生しにくく、効率が良いことです。デメリットは、試験直前に見るには量が膨大になってしまう事、過去問を解いている中でピンポイントのまとめを探す際に、問題番号順でないと、見つからない等あげられます。
まとめノートの例として、問題番号順でノートを作る方法・科目ごとにノートを作る方法。を挙げましたがそれぞれ自分に合った方法で作成してみてください。
ページの一部を紹介します。
こちらは問題番号順のまとめです。
問151~161の薬理のページで赤シートで隠して確実に覚えることを目的としたページになっています。
すぐ見て調べられるようにするための、まとめやゴロです。
問題番号に関係なく大小の付箋を用いて記載し、ノートの空きページに張り付けていました。※卒業試験の過去問ベースで作ったノートです。実際の国家試験とは年度内容が異なります。
まとめノートも早いうちから作り始めることで、自分に最適なノートの作り方が見つかると思います。最初はあれこれ試してみてくださいね♪
まとめ
「薬剤師国家試験の勉強を始めるぞ!でも何からやろう?」誰もが一度は持つ疑問だと思います。やり方は人それぞれで、正解はありません。
まずは勉強を始めようと思ったその気持ちを大事にして、第108回受験者の意見や、実体験から作成したこの記事が参考になれば幸いです。
ここから長く険しい道のりになると思います。少しでも早く第109回受験予定の皆さんが自分なりの最適な勉強方法が見つかるように願っています♪