オロナインH軟膏について

「とりあえずオロナイン塗っておけば大丈夫」と言われるほど、日本で古くから愛されているオロナインH軟膏。筆者も皮膚トラブルには、よく母に「オロナイン塗っておきな!」と言われて何も考えずに使っていました。

効能・効果
にきび、吹出物、はたけ、やけど(かるいもの)、ひび、しもやけ、あかぎれ、きず、水虫(じゅくじゅくしていないもの)、たむし、いんきん、しらくも

【公式】オロナインH軟膏|大塚製薬

昔ながらの薬だな~っていう文字列!!

たしかに、当時大体の症状は軽減した気がします。思春期のにきびはなかなかよくならず、使用しなくなった思い出が…(笑)

以前、人事の上司に「オロナインって何が入っているか知ってる?」と聞かれ、新米薬剤師だった私は「わかりません!」と元気よく解答。「これ、消毒の入った軟膏だよ」って言われて、衝撃を受けました。

今では、店舗見学に来てくれた薬学生さんにも一つの小ネタとして使っています♪そんな経験が、この記事を書いたきっかけです。

オロナインH軟膏の正体は?

オロナインH軟膏は家庭の常備薬として、子どもの頃から見慣れている人も多いのではないでしょうか。でも、その“正体”を知っていますか? 今回は、オロナインH軟膏の成分や効果、使い方のポイントまで解説していきます。

ズバリ消毒薬入りの軟膏!

オロナインH軟膏の主成分は「クロルヘキシジングルコン酸塩」という成分です。

これは医療現場でも使われる消毒成分で、細菌の増殖を抑える働きがあります。消毒というと、頭に思い浮かべるのは、お店の入口に設置されているスプレータイプや、持ち歩き用のジェルやウエットティッシュではないでしょうか?

消毒をしたいから、消毒薬の入った軟膏を買いに行こう!という方はそうそういないはず。皆さんが皮膚トラブルに使用している、オロナインH軟膏は殺菌・消毒効果を持つ軟膏タイプの外用薬というのが正体です!!

クロルヘキシジングルコン酸塩とは

では、クロルヘキシジングルコン酸とは何でしょう?

一般的によく耳にする消毒薬はエタノールや次亜塩素酸ナトリウムですかね?消毒薬にはグレードがあり、使用できる範囲や部位、有効な微生物に違いがでてきます。

高水準消毒薬
高水準消毒薬は芽胞を含むすべての微生物に対して有効な最も強力な消毒薬です。実際の日常生活ではほとんど使われません。医療現場での内視鏡の消毒によく使用されています。

中水準消毒薬
中水準消毒薬は芽胞を除く微生物に有効で、医療現場や食品を扱う施設で最も頻繁に使用される消毒薬群です。

低水準消毒薬 ←オロナインH軟膏はココ!
低水準消毒薬は一般細菌や酵母様真菌に有効で、主に日常的な清拭消毒に使用されます。オロナインH軟膏に含まれるクロルヘキシジングルコン酸塩はこちらの分類。粘膜には使用されない為、粘膜の皮膚トラブルには使用を避けましょう。

どんなときに使えるの?

オロナインH軟膏が、殺菌・消毒効果を持つ軟膏タイプの外用薬というのはわかったけれど、実際はどんな時に使用できるのでしょうか?記載されている効能効果は以下の通りですが、詳しく説明していきます。

効能・効果
にきび、吹出物、はたけ、やけど(かるいもの)、ひび、しもやけ、あかぎれ、きず、水虫(じゅくじゅくしていないもの)、たむし、いんきん、しらくも

【公式】オロナインH軟膏|大塚製薬

軽い皮膚トラブルに!

オロナインは「軽い皮膚トラブル」に幅広く使えます。

  • すり傷・切り傷
  • 軽いやけど
  • ニキビ
  • ひび・あかぎれ
  • しもやけ

ポイントは「軽度」であること。深い傷や重いやけどなどには適していません。

軽度であれば、消毒をすることでひどくなる前に改善がみられる可能性があります。また、傷やひび・あかぎれにスプレーの消毒液(エタノールなど)を使用したらしみて痛そうですよね…軟膏は保湿作用もあり、クロルヘキシジンは低水準なので安心して使用できると思います♪

この薬が消毒薬の入った外用薬とわかっていれば、炎症やアレルギーによっておこる虫刺されや蕁麻疹などには適していないと判断できます。虫刺されについては以下の記事を参考にしてください♪

【夏到来!】虫刺されはどうやって治療する?薬剤師がおススメの市販薬を厳選! | やくちゃの薬学茶屋!

こんな時は受診・他の薬を検討!

  • 深い傷(出血が続いている)
  • 重いやけど
  • 虫刺され
  • 蕁麻疹
  • あせもやかぶれ
  • 皮膚のただれ、化膿がひどい場合
  • 湿疹や発熱を伴う湿疹
  • 目の周りや粘膜部分

オロナインH軟膏は軽い皮膚トラブルに使用することは有効です。症状がひどい場合には、早急な処置や全身作用のある内服薬が必要になる可能性があるため、必ず医療機関を受診してください。

皮膚トラブルの原因があせもやかぶれ・虫刺され・蕁麻疹とわかっていて、軽症の場合には違う薬を検討しましょう。ドラッグストアで登録販売者や薬剤師に相談すると適切なものを案内してくれると思います♪

オロナインH軟膏は、万能薬か?

なぜ“万能薬”のイメージがあるのか

① 幅広く使える

含まれている消毒成分であるクロルヘキシジングルコン酸塩は幅広く安心して使用ができ、消毒薬が軟膏になっていることで保護の効果もあるため、様々なトラブルに対応できます。

② 刺激が比較的少ない

低水準の消毒薬に保湿力のある軟膏で、肌に優しく、年齢制限がないため高齢者から子どもでも使いやすいのが特徴です。

③ 長年の信頼

なんといっても、発売から何十年も使われ続けている安心感。1953年(昭和28年)に発売されているみたいですね♪当時の日本はまだ衛生環境が整っていなかったため、ニーズが高く万能薬として伝わったのかもしれません。

これらが合わさって、「困ったらオロナイン!」というイメージが定着しているようです。

実は万能ではない?

結果として、オロナインH軟膏は万能薬ではありません!軽い傷・軽い皮膚トラブルの初期対応には万能と個人的には言えるかな~と思います!

戦後の衛生環境が整っていない日本では、消毒をすることで様々な皮膚疾患の悪化を防げたので万能と言われたのかもしれません♪

今は衛生環境も整い、たくさんの製薬会社が外用薬を販売し承認の幅も増えています。それぞれ症状に合わせた、薬を選ぶことで適切な治療をしていきましょう!

正しい使い方のコツ

  1. 傷口をきれいに洗う
  2. 水気を軽く拭き取る
  3. 薄く塗る

まずは傷口を水で洗い、水気を拭き取ってから軟膏は使用しましょう。消毒は気になる部分の周りにまで塗布することで、患部への菌の侵入を防ぐことができます。

患部にたっぷり目一杯のせるのではなく、患部周辺に薄く塗り広げるようにして使用するとよいでしょう。

まとめ

オロナイン軟膏の正体は、 殺菌・消毒作用を持つ外用薬。

長年愛されている理由は、その使いやすさと安心感にあります。ただし、すべての症状に効くわけではないので、用途を見極めて使うことが大切です。

「とりあえず塗る!」から一歩進んで、薬や症状について正しく理解して使えば、オロナインはより頼れる存在になります。

家庭にひとつあると安心なオロナイン。
ぜひ、その正体を知ったうえで上手に活用してみてくださいね♪

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やくちゃ
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薬学部の勉強に興味が持てず、下位10%スタートから薬剤師国家試験上位15%へ。国家試験に役立つ情報、不安解消法を発信しています♪ 薬剤師としてドラッグストア勤務で経た知識や人事担当としての就活アドバイスも発信していきます♪【保有資格】簿記3級/ FP3級/薬膳コーディネーター/ダイエット検定/スポーツファーマシスト